母子手帳や健診を活用しよう

 母子手帳には出生時の身長や体重はもちろんですが、入院中、退院時、健診毎の身長や体重が書かれます。体重の増加をみることで、母乳やミルクが足りているかどうかがわかります。特に1か月健診での体重測定は、足りているかどうかばかりでなく、体重が増えにくい病気が隠れていないかを確認する目的もあります。さらに、母子手帳の保護者の記録をつけたり、健診を受けることで、いろいろな発達具合を確認することができます。子どもの発達が早い遅いと一喜一憂しがちですが、個人差もあります。大切なことは子どもの成長を丁寧に確認することです。母子手帳にその一喜一憂した中身を書いておくと、お母さんにとっていい思い出になり、子どもはいろいろ書かれた自分の母子手帳を見ると愛されていたことを実感しニヤニヤしだします。

 健診は、成長に合わせて離乳食が開始され、順調に進んでいるかどうか、予防接種が円滑に進んでいるか、生活リズムや遊びが月齢に合っているかなどを確認する機会になります。また、日ごろ気になっていること、不安や疑問などを母子手帳などにメモしておき、健診の時相談するとよいでしょう。

  また、健診では、保護者とくにお母さんの気持ちが安定しているか、気持ちが落ち込んでいないか、子育てが孤立していないかなど育児するうえでの環境についても相談を受けています。子育てについて最近の報告では10人に1人の母親がうつ状態にあるとの報告もあります。核家族化や働きながらの子育てなど、昔と違う社会環境になっています。また、「育てにくいなあ」と感じることがあれば、それはどの親にとっても育てにくい子、いわゆるADHDや学習障害などの発達障害があるのかもしれません。1人で抱え込まず、健診の機会を利用して気楽に相談してください。